QOL向上記

日々のQOLを向上するtipsを紹介したいと思います。

たこつぼ心筋症と原因(InterTAK分類)

たこつぼ心筋症という心臓に動きが悪くなる病気があります。

このたこつぼ心筋症で特徴的なのは、ストレスによって発症するという疾患であるということです。
ストレスと直接的に結びつくイメージがあるのは、精神的な疾患が多いと思います。
その中でも、直接に心疾患に結びつくというのはちゃんにーとって意外でした。
さらにたこつぼ心筋症は高齢の女性に多いのですが、ストレスによる発症ということで、日本では例えば震災の後に増加するとのことです。

 

たこつぼ心筋症の病態生理を簡単に記したいと思います。

 

急性のストレスにより、カテコラミンが大量に放出されます。
心尖部にはカテコラミンの受容体が多く存在するため、大量のカテコラミンによって心尖部が「麻痺る」ことによって心基部のみが動くという結果になる、というのがたこつぼ心筋症の原理です。

 

症状としては胸痛・呼吸困難があります。

 

たこつぼ心筋症は1990年の発見以来、良性の疾患であると考えられてきました。
しかし最近の研究によるとトリガーとなる原因によっては、急性冠症候群のようにリスクの高い疾患であるということが報告されています。

 

そのたこつぼ心筋症のトリガーとして、

・感情的ストレスによるもの
・身体的ストレス(以下に2つに分類)によるもの、
 1.身体活動・疾病・医療処置後
 2.神経障害後
・トリガー不明

の大きく3つに分類されます(InterTAK分類)。

 

この3つのうち、


・感情的ストレスによるもの→予後良好
・身体的・物理的ストレスによるもの→高リスク
・トリガー不明→高リスク

 

といった報告があります。

 

たこつぼ心筋症の治療に関して、その原因別による治療を行うことで予後の改善を目指せるということです。

 

Ghadri, J.R. et al. J Am Coll Cardiol. 2018;72(8):874–82.

【110E25】痛風で制限すべきもの

医師国家試験の110E25にこんな問題があります。

医学知識正しくを連携させれば、それ程難しい問題では無いと思います。
ただ周りの人で戸惑っている人が多かったために、紹介したいです。

 

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答えは「c, レバー」です。

 

痛風といえば、プリン体だとかビールとかイクラが思い浮かびやすいと思います。
レバーも有名だとは思いますが、なぜか自分の周りではあまり知られていませんでした。

 

そもそも痛風とはなんぞやという話ですが、
我々ヒトが食べた「DNA」は代謝されて、最終的には尿酸となります。
ヒトは尿酸を上手に排泄する機能を持っていないために、尿酸値が高いと蓄積・結晶化します。
その結晶化した尿酸が刺さると痛いというわけですね。
(温度が低いと溶けにくく結晶化しやすくなるために、足の親指の付け根等の末端によく起こります)

 

つまり、痛風になりやすくなる特徴として

・DNAの大量摂取(ざっくり言ってしまえばDNA=プリン体、化学的な構造のことです)
・尿酸が作られやすい体質
・尿酸を排泄しにくい体質


が挙げられます。

 

1番上のDNAの大量摂取が本問で問われています。
DNAは何に含まれているのかというと、それは「細胞」です。
「レバー=細胞の塊」みたいなものです。
よって、レバーをたくさん食べると痛風になりやすくなるというわけですね。

 

このように知識を正しく繋げれば、全てを覚えるという必要はありません。

 

医学知識を闇雲に暗記するだけではなく、正しく運用できるようになりたいです。

BEAMSの白衣がカッコいい!

この前、セレクトショップであるBEAMSが展開するブランドの一つである
BEAMS MEDICALというものを知りました。

 

ビームス メディカルオンラインショップ | 公式サイト | God is in the Details

 

BEAMS MEDICALでは、

・ドクターコート
・ドクタージャケット
・ケーシージャケット
・スクラブジャケット
・ナースジャケット
・パンツ

が展開されています。

 

ドクターコートがめちゃくちゃカッコいいですね。
本来ならば汚れても良いための白衣なのに、これを着てて汚したらちょっと心にダメージを負ってしまいます笑
そして若いうちにこんなに良いものを着ていたら、調子に乗ってるように思われそうです笑

 

同じ視点で一つ疑問なのは、BEAMSは20代~30代前半をターゲットにしているブランドというイメージがあります。
その年代でドクタージャケットを着る強者はいるのでしょうか?
教授クラスにならないとドクタージャケットは着れなさそうです笑

 

ちゃんにーもこんなにカッコいい白衣が似合うように精進したいです。

【105H7】骨代謝とビタミンK

医師国家試験の105H7にこんな問題があります。

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受験生は問題文を読んだ瞬間に、「あぁ、はいはいビタミンDね」と思うと思います。
自分もそうでした笑
しかし、なんと選択肢にビタミンDは存在しません!
ここで受験生は焦ります。「え、どれが骨代謝関係があるの??」
試験本番でも正答率はかなり低かったようです。

 

正解は「e, ビタミンK」です。

 

ビタミンKといえば、血液凝固と関係のあるビタミンという印象が強いと思います。
自分もビタミンKが骨代謝と関係していると知って、驚きました。

 

その理屈は以下のようです。

 

骨にはオステオカルシンというカルシウム結合タンパク質があります。
このオステオカルシンは骨芽細胞によりビタミンK依存性で合成されるタンパクです。
オステオカルシンは、骨の石灰化及びカルシウムイオンの恒常性の維持に関係していると考えられており、骨形成のマーカーとしても利用されています。

 

要するにビタミンK依存性の骨形成タンパクが存在するということですね笑