原発性アルドステロン症の診断
原発性アルドステロン症(PA)という病気があります。
これは二次性高血圧を引き起こす病気です。
※二次性高血圧とは、何か他の病気などで高血圧となってしまうことです。
副腎にアルドステロンを過剰に産生してしまう腫瘍ができてしまい、そこからの過剰のアルドステロンにより高血圧となってしまいます。
この腫瘍を取り除きさえすれば高血圧は治るので、見逃してはいけない疾患の1つです。
PAに関して、他に色々とあるだろうが今回はその診断までを記したいと思います。
①二次性高血圧が疑われる患者
に対してアルドステロン・レニン比(Aldosterone renin ratio; ARR)を測定します。
これはスクリーニングのために行われます。
アルドステロンは、
レニン→アンギオテンシン→アルドステロン
というRAA系によってその量が調整されています。
つまり、レニンが増えることによってアンギオテンシンが増加し、アンギオテンシンが増加することによってアルドステロンが最終的に増加するのです。
ここでARRが200以上であったならば、PA疑いとなるのです。
②PA疑いの患者
PA疑いの患者に対して次は確定診断のために、
・カプトプリル負荷試験
・立位フロセミド負荷試験
・ACTH負荷試験
・生理食塩水負荷試験
・(腹部CT)
が実施されます。
これらの結果により、PAであることを診断します。
PAであることを診断でき、外科的に取り除く必要があるのならば、その後は造影CTを撮ったり、副腎静脈サンプリングで治療方針を決定します。
ちゃんにーは最初、「PAの診断方法は?」と質問されて、「あぁなんだっけ?」と思いながら、RAA系からとりま、レニンかアンギオテンシンでもブロックすればええんちゃう?と考えていました笑。ちゃんにーのアイディアとは少し違いましたが、カプトプリル負荷試験がそのようなものでした。しかしこれは確定診断のための検査であって、スクリーニングにはARRを測定しなければならない、ということに注意せねばなりません。