QOL向上記

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川崎病と頸部リンパ節腫脹

川崎病(Kawasaki disease; KD)は日本の小児科医である川崎富作先生が1961年に発見した病気です。

主に子供に起こる病気であるが原因は不明であり、とにかく血管が炎症を起こすという病気です。

この血管が炎症を起こすというのがネックであり、特に心臓の冠動脈へ炎症が広がってしまうことで冠動脈瘤ができ、将来大人になったときに心筋梗塞などの虚血性心疾患に罹患するリスクが非常に高まるというのが、川崎病のポイントです。

そのため川崎病の第一の治療目標は、冠動脈の病変の発生を防ぐべく、急性期の炎症をなるべく早く抑えることです。日本小児循環器学会によると、第5病日から第7病日までには解熱するように推奨されています。

この急性期の治療には大量静注用免疫グロブリン(IVIG)療法とアスピリン療法が基本です。

 

川崎病の主症状として6つの症状が代表的です。

①5日以上続く原因不明の発熱
②頸部リンパ節腫脹
③眼球充血
④口唇・口腔発赤(唇、口の中の発赤)
不定形発疹
⑥硬性浮腫(特に手足の先が腫れる)

以上の6症状のうち5つ以上を満たすものが川崎病であると診断できるのですが、5つに満たない症例も少なくありません。
なお、BCG発赤部位の腫脹や手足の膜様落屑は診断基準に含まれていません。

 

今回ちゃんにーは首のリンパ節が腫れること(頸部リンパ節腫脹)に着目して記したいと思います。

 

川崎病の他の主要症状は約90%が出現するが、頸部リンパ節腫脹が川崎病の初期の症状であるという頻度は約12%と低いことが報告されています。
さらに川崎病において頸部リンパ節腫脹が出現する症例は出現しない症例と比較して年齢が高いことが報告されています。
さらに、リンパ節腫脹がメインで発症した川崎病ではその診断が遅れてしまうことが報告されています。これは化膿性頸部リンパ節炎と紛らわしいからなのでしょうか。
しかもその診断が遅れてしまうがために冠動脈病変の出現率が高くなってしまうとされています。
川崎病において最重要であるのは、冠動脈病変を出現させないことなので、川崎病が疑われる症例においては、たとえ見切り発車でもIVIG療法等の適した治療をする必要があるのです。