ちゃんにーのQOL向上記

日々のQOLを向上するtipsを紹介したいと思います。

PANSS:統合失調症の検査

 PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)とは、統合失調症の陽性症状と陰性症状を評価することを目的としたテストです。

 

PANSSは1987年にStanley Kay、Lewis OplerとAbraham Fiszbeinの3人によって出版されました。
PANSSでは、統合失調症を陽性尺度・陰性尺度・総合精神病理尺度の3つの尺度で評価します。
さらに陽性尺度と陰性尺度は7個の項目、総合精神病理尺度には16個の項目があり、それぞれを「なし・ごく軽症・軽度・中等度・やや重度・重度・最重度」の7段階により評価します。

 

それぞれの尺度は以下のようなものです。
・陽性尺度(最低点7点、最高点49点)

1.妄想(Delusions)
2.概念の統合障害(Conceptual disorganization)
3.幻覚による行動(Hallucinatory behavior)
4.興奮(Excitement)
5.誇大性(Grandiosity)
6.猜疑心/迫害感(Suspiciousness/persecution)
7.敵意(Hostility)

・陰性尺度(最低点7点、最高点49点)

1.感情の平板化(Blunted effect)
2.情緒的ひきこもり(Emotional withdrawal)
3.融通性の貧困さ(Poor rapport)
4.受動性/意欲低下による社会的ひきこもり(Passive/apathetic social withdrawal)
5.抽象思考の困難さ(Difficulty in abtract thinking)
6.会話の自発性と流暢さの欠如(Lack of spontanelty and flow of conversation)
7.常道的思考(Stereotyped thinking)

・総合精神病理尺度(最低点16点、最高点112点)

1.身体についての懸念(Somatic concern)
2.不安(Anxiety)
3.罪悪感(Guild feeling)
4.緊張(Tension)
5.衒奇症な動作と姿勢(←奇をてらった動作をすること)(Mannerisms and posturing)
6.抑うつ(Depression)
7.運動減退(Motor retardation)
8.非協調性(Uncooperativeness)
9.異常な思考内容(Unusual thought content)
10.失見当識(Disorientation)
11.注意の障害(Poor attention)
12.判断力と病識の欠如(Lack of judgement and insight)
13.意志の障害(Disturbance of volition)
14.衝動制御の障害(Poor impulse control)
15.没入性(Preoccupation)
16.自主的な社会回避(Active social avoidance)

 合計:最低点30点、最高点210点 

 

著者のStanley Kayが統合失調症の患者101名(20歳-68歳)に実施した調査での平均点数は以下の通りだったようです。

陽性尺度点数:18.20
陰性尺度点数:21.01
総合精神病理尺度点数:37.74

 

以上の評価項目の多さを見れば分かるように、PANSSはそこそこ時間のかかる検査なのです。

実際にちゃんにーの場合でも45-50分程度かかりました。

PANSSでは検査の前に患者さんの全体像を把握するために、5分以上雑談をする時間が設けられています。

PANSSの質問は基本的にはクローズドクエッションであり、yes/noで答えられる質問となっています。例えば、「あなたは最近不安になったことはありますか?」です。

一方、「抽象思考の困難さ」を評価する項目での質問では、「オレンジとりんごではどう似ているか?」を問うような質問もあります。健常者であれば、「どちらも果物である」という回答が多くを占めるであろうが、抽象思考が困難であると、「どちらも小さい」や「どちらも甘い」などといった、具体的な特徴をもって回答するようになるようです。

ちゃんにーが評価した患者さんは病状も落ち着いており、融通性(ラポール)もあったため検査は順調に進みました。一方、統合失調症の特徴の一つでもある連合弛緩とも思われるような、答えている最中に、かろうじて論理的にはギリギリ繋がっているものの、話題がずれていく様子が見られました。

PANSSでは患者さんとの融通性(ラポール)がある程度とれていることが前提となるため、陽性症状もしくは陰性症状がとても強く出ている患者さんの評価は難しくなるだろうと感じました。

 

検査実施後は、評価シートに則って上に述べたとおり7段階の評価をします。

評価シートに具体的な説明があり、それらを参考にすれば評価できます。

ただどうしても評価者の主観に依存する部分があるため、一定以上の信頼性を得るためには評価者の鍛錬が必要であると感じたちゃんにーでした。